日常生活で生きずらさを感じている発達障害は、自己肯定感が低くなりがちです。
冷静に見ると何も悪いことをしていないし、とがめられることでもない。なんなら発達障害の脳の中を積極的に採用していったら企業が成長する可能性も秘めているといっても過言ではありません。
世の中は「普通か」「普通じゃないか」で住み分けされがちです。普通じゃない発達障害は企業に敬遠されます。これは僕もたくさん肌で感じできました。
発達障害は認知はされてきましたが、まだまだ世の中全体には浸透しきっていません。
今回はそんな発達障害の自信をなくす原因を探っていき、成功者の例を上げながらなくなった自信を取り戻してもらおう。そして、最終的に発達障害が自信を持つことが、世の中や企業にとってどれだけ意味のあることかを書いていきます。
当事者だけではなく、企業や発達障害に関わる仕事をしている方もぜひ読んでみてください。
発達障害が自身をなくしてしまうパターン
ここからそれぞれの発達障害での自信をなくしてしまうきっかけを上げていきたいと思います。
これをひとつずつ解説していきます。
ASDの場合
これは僕の診断された障害でもあるので、このサイトでたくさん紹介もさせていただいています。その中のコミュニケーションに関する記事をひとつ載せておきます。
コミュニケーションは人間社会において切っても切り離せないもの。もはや学力よりも大切でしょう。発達障害でなくても
コミュニケーションの能力がもっとあったらなぁ
と感じている人はたくさんいるはず。
当事者の僕の感覚で言うと…
水泳で言うカナヅチの人
くらい苦手意識が強いものです。
単純な人付き合いの『話す』から、身近な親や仕事の報告などの『伝える』などさまざまなコミュニケーションに対するハンデを背負った上で、それを克服することは困難を極めます。
その上で自信を無くさずに自分を主張しながら問題なく社会で生きていくにはかなりの自己肯定感が必要です。
それだけ自信を持って成功しているASDだとしても、周りから見ると「かなりのこだわりを持った人」など硬い印象を持たれて浮いている可能性が高い。それだけ日常会話も論理的に話してしまう特徴があります。
自己肯定感が人並みのASDは特に周りから浮いているのが分かっていてもどうしたらいいのか分からない、正解のない世界で生きていくしかないので、社会で生きていくのはかなりの試練です。
ADHDの場合
ADHDの自信を無くしてしまう要因はすべて「日常のドジ」に見えるもの。
なんでちゃんとできないんだろう
と自分に悩んでしまうパターンです。
僕もADHDの傾向がありよく忘れ物などしてしまいます。なので、感覚の上でよく誤解されてしまうことがあるのでひとつ言っておきたい事があります。それは、ADHDはおっちょこちょいではないという事。普段は人一倍準備を怠らないのにどうしても約束事やものを忘れてしまいます。
いくら気をつけていても準備をしても、直前でなにか予定外のこと、意識しないといけないことが起こった場合に大事な部分が抜けてしまうのです。
普段から自分のドジを笑い飛ばせるような明るい性格ならそれも受け入れられる人もいるかもしれませんが、ADHDが必ずそのような性格とは限らないので生きず楽なってしまいます。
LDの場合
LDの「読み書きができない」というのは、発達障害の中では、定型発達の人にも想像しやすい部類だったりするんじゃないかと思います。
小学校に入学してはじめにやる字の読み書きが自分だけできない。周りの子ができている中で自分だけが遅れているという状態。
それが発達障害だとはじめから分かっていればいいですが、先生も自分の親ですらも「自分の脳の成長が遅れている」という心配や哀れみの目で見てしまいがちです。
比較対象がいる学校のクラスでは否が応でも自分で気づいてしまいます。
そのような周りの目や、自分の気づきなどで自信を失っていってしまうのです。
発達障害の有名人&著名人
発達障害は日常生活に難がある反面、例えばASDならその強いこだわりを、ADHDなら過集中の特性を活かせる現場や職業につくことができればその道で大成している人もたくさんいます。
以下は自身が発達障害だと公表している有名人リストです。
これらの有名人も、なにも自分ひとりだけの力で成功してきたわけじゃありません。
次の項目からはそれらの有名人たちがどのようなサポートを受けてきたのか、そこからどう周りがサポートしたら良いのかのヒントに繋げていきたいと思います。
どうしたら自信を持てるようになるか
これらの成功した人はもちろん選ばれし才能を持って成功するべくして勝手に成功していった訳ではありません。
もちろん才能もあるし、努力や人生の中で乗り越えたものも人より多いのかもしれませんが、一番の要因として考えられるのは家族や周りのサポートがあったから
もう少し詳しく言うと、家族や周りの人が
障害というものに偏見がなく、その人の個性として伸ばしていけた
から
トム・クルーズの例ならトム・クルーズが学生の頃に家族の励ましやサポートがあったことなどが挙げられます。⇒引用元:Reading Well
周りの子供より劣っているからと哀れみの目で見るのではなく励まし続け、その人が他の人より秀でている部分を見てあげて伸ばすようなサポートが必要不可欠になります。
周りが、発達障害者の生きづらい部分を一般的な水準に挙げようと意識しすぎると、言われた側はそれを一生気にして生きていくでしょう。
僕はこれらのエピソードや例は発達障害の枠に限らず、子育てというテーマにおいての個性の伸ばし方としての指標にも今後なってくると思っています。
今は人の多様性を受け入れつつある時代。仕事の多様化も進んできて自分に向いているものをある程度選択できたりもします。
自分のこともが発達障害で将来が不安というお母さんも発達障害の特性や個性を理解すると将来自分の子供へ勧められる仕事も出てくるかもしれません。
自分のこともを含め、発達障害の人と関わることは何かと不安が多いことかと思います。けれど、知識さえつければ今は無理なく選択肢がたくさんある時代です。
このような先人の成功例に習ってゆっくり個性を伸ばしていくことは、発達障害を含めた国力や失業率の改善と共にひとりでも幸せな人を生み出すいい流れを作れるはずです。
まとめ:人間の幸せの本質
この記事では成功者からたくさんの希望の光を受け取れたのではないでしょうか?
しかし、勘違いしてほしくないのは成功の例にこだわって「自分の子供を成功者にしたい!」とか「個性を伸ばしてたくさんお金を稼いでもらいたい!」とは思ってほしくないということです。
いくら愛情を注いでお金をかけたからと言ってそれとこれとは別
本人が自信を持って問題なく社会で暮らしている = お金持ち
ではありません。
子育てなど大変な分、リターンを得たくなる気持ちも分かりますが、そこは人間の幸せの本質を忘れないようにしてほしい
人に投資することに対して投資した以上のリターンを望むのはナンセンスです。
株の投資、アイドルのプロデュース、企業や選手につくスポンサーもそう。人間に関わることはどれだけ周りから見て可能性があるとしても100%はありえません。自分が手間をかけた分、将来子供が経済的に成功して大金を稼ぐとか自分の思惑通りになるということは誰にも約束できません。
個性を伸ばしてその人が自分らしく生きることの幸せや充実感を感じてほしい。その向こうにオマケとして『だれもやったことのない発想』などで成功するというパターンが可能性としてはあるかもしれない、というだけの話
希望や夢を持つことは悪いことではありません。しかし、お金を手にしても幸せとは限りません。
この受け取り方は発達障害当事者の人にも肝に銘じてほしいと思います。
発達障害者へ対しての理解やサポートのし方が、障害の有無に関係なく子育てなどのモデルケースになり、全ての人が経済力関係なく幸せな家庭が増えること、子供の人生を尊重するような人が増え充実した人生を送れる人が増えていくことを心から願います。